目を開けると、目が開けづらかった。
片目は見えないし、もう片方は開けにくい。
なんだ、と身動ぎしようとして、自分が抱きすくめられたまま眠っていたことに気がつく。
何が、あったんだっけ。腫れぼったい目をゆっくり瞬かせていると、自分を抱きしめたまま眠っていたチャーリーが目を開けた。
……向こうも少し混乱したような顔をして、それからぱちっと丸い目を開いた。
「そうだわ、一緒に寝ちゃったのよ……だ、大丈夫?私傷触ってない!?」
よくもまあ起き抜けにシャキシャキ喋るものだ。
頷くと、よかった!と安心した笑みを見せた。それからちらりと時計を見やり、もうこんな時間なのねー、と間延びした声を上げた。
「よく寝ちゃった……!ヴァギー、あれから寝られた?体痛くない?」
「……うん……」
そうだ、思い出した。自分が無様を晒したことを。
ヴァギーは起き上がり、頭を抱えた。
「ごめん、変なとこ見せて」
「いいわ!昨日も言ったけど、気にしないで」
もう一度謝ろうとして、口をつぐむ。少し考えて、ヴァギーは何とか口角を上げ、なるべくまっすぐチャーリーを見た。
「ありがとう、チャーリー」
チャーリーは大きな目とよく動く口をいかんなく動かして、なんとも嬉しそうな笑顔を形作った。
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